「詩人か、高等遊民か、でなければ何にもなりたくない」

森見登美彦「恋文の技術より」



恋文の技術 (ポプラ文庫)
森見 登美彦
ポプラ社
2011-04-06

 



まず、アイディアにやられる。
現代の書簡体小説って、他にもあるのかな?
探してみよう。


森見登美彦の小説に出てくる登場人物は、愛らしくて会いたくなる人物ばかりだ。
しかも、彼の小説を読むと、決まって京都に行きたくなる。
この小説では、能登半島にも行きたくなってしまった。

場所も人物も、森見ワールドの中で描かれると、途端に魅力的になるんだよなあ。
一つひとつの言葉選びにしても、主人公のへたれ具合も最高。

 
何度でも読み返したくなる作品って、そんなにないんだけど、
森見作品だけは期間を置いてまた読みたくなる。

間違いなく、自分の学生時代を象徴する一冊。
漱石の書簡集も読まなくちゃ…。